いつも言っていますが、植木の剪定で、できることは、あなたにやって頂きたい。
そのうちの一つが、ツツジとサツキの刈り込みです。開花が終わった直後から、刈り込みの時期に入ります。
刈り込み⁈
そんなの簡単だから、今更、読む気なんかないよ‼
でも、あなたの刈り込み方は、本当に正しく切れているのでしょうか?
そこで今回は、植木の刈り込み作業を行なう時の刈る目安を紹介します。この目安まで、切り戻すことができれば、昨年(前回)と同じ樹形を保つことができます。又、生垣や植込みの刈り込み作業に通じることですから、ぜひ、参考にして下さい。
この記事で使う「切り戻す」とは、昨年(前回)に切った位置まで切り戻すという意味です。
それでは、写真のオオムラサキツツジを刈り込みましょう。
道具は、刈り込み鋏や電気バリカンのどちらでもOkです。
植木の刈り込みで、大事なことは、刈り込む目安=昨年(前回)切った跡です。
まず、少し刈ってみます。切った跡が出てきました。
単純にここまで、全部切り戻します。
でも、たいていの刈り込みは、正しく切り戻すことができていません。
それでは、どうして、できていないのか、昨年(前回)切った跡の部分を拡大します。
上の図は、写真のツツジをわかりやすく絵にしてみました。
昨年切った跡を見つけたら、そこを刈り込む目安とします。この目安がわかれば、合わせるだけです。しかし、昨年切った跡より下に、ハサミを入れると、昨年切った跡から今年の新芽までは、枯れ枝になっていて、切れません。ハサミが切れないと、それより上の切りやすい位置で切ろうとします。結果、刈り込む位置が浅くなるのです。
これからは、刈り込む目安に何回か刈りながら、合わせていけば、昨年と同じ樹形になります。
この刈り込みができれば、十分ですが、もう少しがんばると、さらにきれいに見えるコツを教えます。
下の写真をご覧下さい。
上の写真のように、少し太い枝が、伸びているとします。刈り込みバサミやバリカンで、刈り込む目安まで切れました。
しかし、この枝を残しておくと、来年、この枝から、新芽が出てきて、どんどん密生して蒸れた状態で風通しが悪くなります。又、見た目がきれいに見えません。
ですから、私は剪定鋏で、付け根から切ります。
少し、太い枝を付け根から切ってあげると、ゴツゴツした感じがなくなって、柔らかい仕上がりになります。
太い枝だなと思ったら、予め切っておくか、刈りながら、太い枝を見つけたら、その都度切るかは、自由です。バリカンを使用する場合は、最後に、付け根から切るようにすると、作業効率が良いです。
昨年または前回の切った跡は、必ず、あります。それを目安に刈り込めば、同じ樹形をいつまでも保てます。もし、昨年よりもっと小さくしたいのでしたら、剪定鋏で詰めて下さい。そして、その切った跡が来年の刈り込む目安になります。小さく切り詰めたい時期は、【植木の豆知識】「業者選びに迷う?植木の剪定を失敗しない4つのルール」を参考にして下さい。
最後に、針葉樹(主にコニファー)の刈り込み方は、また別の知識が必要なので、次の機会に紹介します。
まずは、刈り込み易いツツジやサツキで、試して下さい。